版元の夏葉社で品切れており、再入荷のお問い合わせが多かった『すべての雑貨』が重版されました。
西荻窪にある「FALL」という雑貨店。店主の三品輝起さん初の単著。この本は、タイトルから想定されるようなやわらかなエッセイではありません。実際に雑貨店を経営し体感し浮かび上がる、独自の雑貨論、さらに言えば消費論ともいうべき著者の思考が語られた、ちょっと同種の本が思い当たらない、新しい風を感じる一冊です。映画や音楽、本のことを織り交ぜ、自身と店を振り返るエッセイという形をとりながら、著者曰く「じわじわ雑貨化する社会」というものに問いを投げかける。その燻った思いに読む者が同調する心地よさがそこにあります。「夜と店の隅で」「予告された雑貨の記録」…各章に名付けられたサブタイトルもユニークです。
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