こちらにご紹介するのはまったく新しい詩とアートの書「未明」の1号です。「ポエジィとアートを連絡する叢書」の言葉通り、扉をあければそこには選ばれた言葉と写真、美しい余白と緻密なデザインによるときめくような空間が広がっています。それぞれの詩や散文にあわせて意匠を変え、かつ統一された意識によって作り込まれたページづくりも見事なら、それに応える書き手のわざも素晴らしく、本そのものが美を閉じ込めた小さな部屋のよう。制作者の一人、外間隆史氏によれば「”ポエジィ”というたった一語のもとへあつまった、無口な人々」によって生み出されたこの書物は、しずかながらも熱を持ち続ける燠火のような趣をたたえています。登場するアーティストたちの精神と作り手の精神が、ひそやかにそして豊かに息づいた稀有な一冊。象徴的に配された原民喜の詩をはじめとして、本書が作り出す風景に共鳴するであろう人々にぜひ手にとって欲しい新しい叢書です。
執筆者:細野晴臣 / 杉林恭雄 / 小松原エリ子 / 原民喜 / 大塚泰子 / 須藤岳史 / 齋藤靖朗 / 遊佐未森 / 山下太郎 / 有馬野絵 / ハルカ / たなかれいこ / 黒坂麻衣 / 森下くるみ / 在本彌生 / サイトヲヒデユキ / 扉野良人 / 宮尾節子 / 村松桂 / 平田詩織 / 外間隆史 / 蜂飼耳 / 田 原 / 中家菜津子 / 森紀吏子 / 川口葉子 / 辻山良雄 + nakaban
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