1978年に東京、日本橋に創設された国内初のコマーシャル・フォト・ギャラリーZEIT-FOTO SALON。フランスやアメリカをはじめとする海外作家の紹介や日本の新鋭作家の発掘に尽力、日本に「オリジナル・プリント」という考え方を広め、写真をアートとして扱う日本で最初の画廊として文字通り国内のアート写真界を牽引してきました。こちらは、創設者で代表の石原悦郎氏が2016年に亡くなり、38年の活動に幕を下ろすこととなった本ギャラリーの展示を振り返ったオリジナルDMカタログ集です。大きな話題を呼んだ開設記念展のアジェに始まり、ドアノー、ブレッソン、ケルテス、ブラッサイ、マン・レイらパリで活躍した伝説の写真家たち、植田正治や細江英公、桑原甲子雄、荒木経惟、森山大道ら国内の巨匠たち、畠山直哉、オノデラユキ、鷹野隆大、石内都ら現代写真家たちに至るまで、誰もがその名を知る錚々たる作家たちの展覧会を行ってきた本ギャラリーの印刷物からは、その偉大な功績とこの国におけるアートフォトの受容の変遷が浮かび上がります。圧倒的な企画力と発掘力で、日本の写真史を切りひらいてきたZEIT-FOTO SALONの軌跡をおさめた貴重な記録であり、資料集としても非常に意義ある一冊です。