母との絶縁、義弟の自殺、そして夫の癌。写真家・植本一子さんのひりつくような日常の記録。日記を書くことからはじまった家族と向き合うための日々。光り輝くような植本さんの写真とは対照的に、誰しもが抱える心のうちの薄暗い部分がただ淡々とそのままに綴られているがゆえに、ひとつひとつの何気ない心情が、どうしようもなく読む者に突き刺さる。それでも家族の日々は続きます。「今を生きてる?」と私たちに問いかけ、同時にそっと傍に寄り添っていてくれる一冊です。『働けECD』、『かなわない』に続く、注目の書き手の新しい代表作。
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