カシミアのコートから外れて本棚の下に入りこんでしまったボタン、引っ越し先に連れて行ってもらえると思っていたドアノブ、片方ばかり削られていく赤青鉛筆…あることが当たり前になっている、ごくごく日常の風景の中にある身近な「小さなもの」にあたたかな眼差しを向けた大久保雨咲さんによる珠玉の5つのおはなし。そして、まるで「小さなもの」ひとつひとつが命を吹き込まれたかのような、ニシワキタダシさんによる生き生きとしたイラスト。ドアノブを留めるネジひとつひとつにも異なる表情が浮かんでいるのを見ると、「モノにも心があるのだから大切に使わないといけません」と幼い頃に言われていたことをふと思い出します。思いやりの心とは何か。お子さまはもちろん、読み聞かせをする大人も思わず惹き込まれる物語です。振り仮名つきなので、プレゼントにもおすすめです。
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