静寂が包む雪原に舞い落ちる雪、どこまでも続く白い世界に高揚した記憶。旧東ドイツ出身のピアニストHenning Schmiedtが、日本の東北地方を初めて訪れた際に見た雪の存在感に感動し、幼少期を過ごしたドイツ・エルツ山脈の雪に閉ざされた冬を思い出しながら、雪の日の淡い音の響きを表現した一作"Schnee(=雪)"。繊細なピアノのタッチと透明感溢れるメロディーに、多彩なエレクトロニクスと音響処理を取り入れながら、往時の冬と現在を交差させるように丁寧に描きだしたピアノ作品集。しんと静まり返った冬の朝まだきのような音楽。2012年作。
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