70年代を中心に刊行された「文藝春秋デラックス」から人気の一冊を。こちらは「芹沢?介の世界」。染色作家の芹沢?介の持つ魅力を、作品だけでなくその人となりや持ち物まで含めて紹介し、その奥深い世界を網羅した読み応えある豪華な号です。着物、カレンダー、絵などどれも独特の品格と風格があり、特に装丁の仕事の素晴らしさにはあらためて感服します。昭和の教養や娯楽をコンパクトにまとめたことで定評のあるこのシリーズですが、なかでも本誌は、芹沢?介という一人の稀有な染色家の美をとどめた逸品と言えるでしょう。経年によるくたびれ等はありますが、本文も内容を読む分には問題なく、古書として標準的な状態です。