「どくとるマンボウ航海記」「昆虫記」に続くどくとるもの第三弾として刊行された本書。著者らしいユーモア、そして少しシニカルな視線でもって、 独特の人間観察論が展開されます。品があってどこか牧歌的でそして知性と好奇心を持ち…ジェントルな語り口がどこから読んでも楽しく心地よい、やはりこの人ならではの素晴らしさが伝わるこの初出の形。何よりも、その後の文庫版などでは見ることができない、真鍋博による装丁と各章ごとに描かれた挿画が貴重な一冊です。経年による小口の若干の変色や見返しのシミ等はありますが、ことさら目立つダメージはなく古書としては標準的な状態です。